加齢や障害などの影響で判断力が低下したり、寝たきりになり意思表示ができなくなると日常生活を送るうえで様々な問題が起こります。
✔相続人になっても、遺産分割協議に参加できない。相続人の中に意思表示ができない人がいる場合、相続手続きを進めることができません。
✔財産の管理や処分ができなくなる。
例えば、意思表示のできない人が土地を持っている場合、不動産取引の際には売主の意思確認が重視されるため、土地を売ることができません。
✔社会生活を営んでいくために必要な契約を結べなくなる。
例えば、老人ホームの入居、預金の解約や生命保険の手続き等もスムーズに行えなくなります。
このような人を法的に保護しその生活をサポートするための制度が成年後見です。判断力が低下し、一人では日常生活を正常に送れなくなったため、後見が必要になった人(「成年被後見人」と呼ばれます)の財産を管理し、その権利を擁護し、健やかな生活を送れるように配慮する「成年後見人」が家庭裁判所によって指定されます。
✔家庭裁判所への申立
成年後見の制度を利用するためには、本人またはその子供などの親族が家庭裁判所に申立をします。申立てるのは、本人の住所地を管轄する家庭裁判所で、南丹市(美山町を除く)居住の場合は、京都家庭裁判所園部支部になります。申立の際には本人の財産や収入を調査したり、多くの資料を集める必要があり、書面の作成には専門知識が必要です。当事務所では、申立て書面の作成を承ります。
✔手続きの流れ
申立をしますと家庭裁判所の判断により、成年後見人が指定されます。申立て時に長男などの親族を成年後見人候補者として指定しておくこともできます。多くの場合は、候補者がそのまま成年後見人に指定されますが、候補者が後見人として不適当だと判断された場合や親族間に紛争が生じている場合などには、親族以外の第三者である司法書士などの専門家が成年後見人に指定されることもあります。
✔成年被後見人になるとどうなるのか?
本人(成年被後見人)自身は、契約を結ぶことができなくなります。必要な契約は、成年後見人が代わりに行うことになります。例えば、本人名義の土地があり、老人ホーム入居の費用を捻出するために、その土地を売却する必要がある場合には、成年後見人が交渉や契約を行います。遺産分割協議、預金の解約、生命保険金の受領なども、成年後見人が行います。
報酬について
後見申立書面作成 60,000円
(ご自分で一部書面を作成されたり、資料を収集された場合は、上記金額より割引いたしますので、ご相談下さい)
✔遺産分割協議のために「特別代理人」が必要となる場合
例えば、母が成年被後見人で、長男が成年後見人に就任しており、父が死亡した場合のように、成年被後見人である母と成年後見人である長男が共に相続人となると、成年後見人は成年被後見人に代わって遺産分割協議に参加することはできません。なぜなら、成年後見人(長男)自身も遺産分割協議に参加することになるためです。このような場合は、家庭裁判所に「特別代理人」を選任するよう請求する必要があります。この特別代理人が、成年被後見人に代わって遺産分割協議に参加することになります。相続人ではない親族や知人が特別代理人になることが多いですが、適当な人物が存在しない場合は、司法書士が特別代理人就任を承ります。
報酬について
特別代理人選任請求書面作成 25,000円
特別代理人就任 20,000円